個人から法人への低額譲渡を防ぐ不動産鑑定評価(不動産の法人化)
お客様の声
別荘を自身が運営する会社へ売却したいが適正価格を知りたい
不動産鑑定評価提供前のお悩み
個人が保有する借地権付き別荘を自身が経営する会社に売却をしようと思っています。
バブルの頃に購入したので、売却をすると、かなり損がでると思うが、関係者取引でもあることから、税務署の調査対象になる可能性がある。
いくらで売却するのが適正か、不動産鑑定評価をお願いしたい。
当社で依頼された理由
インターネットのホームページで御社を見つけて依頼させていただきました。
不動産鑑定評価提供後のお客様の声
「対応が丁寧で、なおかつ短期間で、こちらの手間なく鑑定評価の作業をしていただきました。」
とのお声をいただきました。
不動産評価対象地
立科町
不動産鑑定士、朝倉宏典コメント
茅野市や立科町の標高の高い地域にある純粋な別荘は、需要が弱く、バブルの頃と比べると10分の1程度になっている物件も珍しくありません。
関連会社取引等で評価損をだして、利益と相殺して現金を残す可能性が高い不動産です。
会社で利益がでたお客様は、現金を残すためにご活用いただければと思います。
あなたはこんなことでお悩みではありませんか?
・法人税以外(所得税、贈与税、相続税)は、増税される状況の中、個人から自身の資産管理会社へ賃貸不動産を譲渡したい
・固定資産を低額譲渡した際の税務上の取り扱いについて
・法人税は今後も引き下げ傾向なので、法人へ賃貸不動産を譲渡したい
・家賃や地代を個人でなく法人で受け取りたい
・個人は不動産を譲渡した法人から給与を受け取ることで、トータルの税コストを削減したい
一つでも当てはまるなら、お気軽にご相談ください。
担当者が丁寧に、分かりやすく対応いたします。
法人と個人事業の主な比較
賃貸用不動産を法人化する際の初期コストを考慮すると、全てが有利になるとは限りませんが、法人税は減税、法人税以外(所得税、贈与税、相続税)は、増税される状況の中で長いでみると有利になるケースが多いです。
法人 | 個人事業者 | |
法人税・所得税税率 | 23.9%(軽減税率15%) | 5%~45%の累進税率 |
---|---|---|
事業主の役位報酬・退職金 | 損金算入 | 支給できない |
減価償却費 | 任意償却 | 強制償却 |
事業主の生命保険料 | 損金算入が可能 | 生命保険料の所得控除 |
注意ください!ご自身のみでは、時価の立証を否認されることがあります
インターネットや本を研究して時価が財産評価基本通達(路線価方式)により著しく低いということを税務署に、専門家に頼まずに、ご自身で証明しようと思われているかたも多いと思います。
つまり不動産の時価がいくらなのかを自身で評価書を作成して証明しようとされる方もいらっしゃいます。
しかし、時間と労力の無駄に終わってしまうことが多いようです。
納税者による時価の立証方法としては、もっともよく利用されるのは1.路線価を時点修正する方法 2.不動産鑑定評価書を採用する方法です。そのほかの時価の算出方法としては3.近隣の売買実例価格を比準させる方法(売買実例比準方式)、4.公示価格比準方式による方法、5.鑑定評価額や売買実例価格に80%を乗じた価格による方法がございます。
1.路線価を時点修正する方法、2.不動産鑑定評価を採用する方法、4.路線価の比率から公示価格を推定する方法は立証方法として多く認められており有効と思われます。
一方、ご自身で行う売買実例比準方式(近く土地は●●円で決まったから、自分のうちの土地は△△円と思われる。)は、根拠が明確でないとして判例で否認されております。
3.売買実例比準方式
近隣の売買実例と路線価の比率を参考にして時価を求める方法です。
売買実例があった土地とその土地の路線価の比率を、評価対象地の路線価に乗じるものです。
この方法は売買実例と評価対象地の形状などの個別的要因が極めて類似であることを前提とすれば、鑑定評価に近い合理的な方法といえます。
しかしながら、納税者が近隣の売買実例価格と路線価の比率を参考にして求めた時価による申告に対して、東京地裁平成11年12月17日判決は、当該方法は、不動産鑑定評価基準に則った評価方法ではなく、仮に売買実例による取引価格がその土地の路線価を下回ることがあっても、その事実をもって、評価対象地についても同じ開差があるとまではいえないとして、採用されておりません。
このように、個人で時価を立証するのを、専門家に頼まずに行うことは難易度が高いです。
時間や手間だけかかって、税金だけとられてしまうということがありますので、時価の立証でお困りになりましたら、まずは不動産鑑定士にご相談いただくことをお勧めいたします。
土地の個別事情により相続税評価より低くなった主な判例
相続税評価ではなく、通達によらない評価(主に不動産鑑定評価)が採用された判例を列挙します。
評価通達の画一的な規定からでは、個別に評価すると、一般の不動産評価からして適正な評価額とはいえないという理由からです。
税法では時価で不動産の評価を申告することが認められております。
払う必要のない税金を無駄に払わないように、ご自身の所有する不動産の時価も相続税評価よりも著しく低いと思われる方はご相談ください。
– | 判決年月日 | 相続税評価 | 納税者鑑定 | 課税庁鑑定 | 結論 |
1 | 国税不服審判所平成9年12月11日 | 7億2494万円 | 2億円 | – | 借地権付分譲マンション底地、審判所が依頼した鑑定評価書6000万円を参考に、納税者鑑定を採用 |
2 | 東京地裁平成11年3月30日 | 1億2135万円 | 2000万円 | 3000万円 | 借地権付分譲マンション底地、課税庁鑑定を採用し、3000万円 |
3 | 国税不服審判所平成13年3月5日 | 3億4573万円 | 2億3007万円 | 2億7800万円 | 接面する道路が4m未満(2項道路にも該当しない)土地につき、審判所が算出を行い、2億2998万円を採用。 |
4 | 東京高裁平成13年12月6日 | 4億9867万円 | 2億6460万円 | – | 接道義務を満たしていない路地状敷地敷地につき、高裁が鑑定を依頼し、鑑定評価書3億7170万円を採用。 |
5 | 国税不服審判所平成14年3月27日 | 1174万円 | 0円 | – | 傾斜度が30度を超えるがけ地につき、状況が類似する土地の売買事例単価を(総額12万円)を採用。 |
6 | 国税不服審判所平成14年6月27日 | 8105万円 | 409万円 | – | 傾斜地の評価につき、状況が類似する土地の売買実例に基づいて審判所が算出を行い、3736万円を採用。 |
7 | 国税不服審判所平成12年4月18日 | 3億7096万円 | 3億5448万円 | – | 地積の広大な土地につき、納税者鑑定を採用。 |
8 | 国税不服審判所平成14年7月22日 | 48億6890万円 | 43億8000万円 | – | 地積が広大な土地につき、審判所が算出を行い、45億8364万円を採用。 |
9 | 国税不服審判所平成14年6月18日 | 不明 | 9085万円 | 1億3120万円 | 市街化調整区域の山林の評価につき納税者の鑑定評価を採用。 |
10 | 名古屋地裁平成16年8月30日 | 6795万円 | 5036万円 | 6840万円 | 鉄道高架に隣接する土地につき、裁判所が鑑定を依頼し、鑑定評価6422万円を採用。 |
※「相続税、贈与税通達によらない評価の事例研究」星雲社 参照
個人から法人への低額譲渡
個人から法人へ低額譲渡した場合、財産を時価よりも低い値段で買手である法人には法人税がかかります。
財産の取得価額は時価となり、時価と売買価格の差額は、受贈益となります。
売手である個人も財産を所得税法上の時価の2分の1未満で売った場合、みなし譲渡所得課税がかかります。
財産を時価で時価で売却し収入があったとみなし、その財産の取得費を差し引いた所得に対して所得税がかかります。
また時価の2分の1以上の対価による法人に対する譲渡であっても、その譲渡が同族会社等の行為の規定(経営者が税金を逃れるために支配会社を利用する行為)に該当する場合は、みなし譲渡所得課税がかかります。また、同族会社に低額譲渡した場合は株主にも贈与税がかかることがあります。
個人から法人への土地の低額譲渡の例
この土地の取得費は1,000万円、譲渡費用は0円です。
譲渡価額:2,000万円
取得費:1,000万円
譲渡費用:0円
個人が法人に対して時価2分の1未満の価額で資産を譲渡した場合、時価で譲渡したものとみなされます(みなし譲渡)。
・売主であるAさんは、時価5,000万円で土地を譲渡したものとして、譲渡益を計算します。
よって、譲渡益4,000万円に対して所得税が課税されます。
5,000万円 - 1,000万円 = 4,000万円
また仮に時価の2分の1以上の価額で譲渡した場合であっても同族会社への譲渡であるため、Aさんの所得税を不当に減少させると認められるときは、時価で譲渡したものとして所得税が課税されることになります。
・買主であるBさんは、時価と譲渡価額との差額3,000万円相当額の土地をAさんから贈与により取得したものとみなされ、法人税等が課税されます。
5,000万円 - 2,000万円 = 3,000万円
なお、乙社の土地の取得価額は、時価である5,000万円となります。
その他、低額譲渡のまとめ(参考)
売買形式 | 売手 | 買手 |
---|---|---|
個人から個人への低額譲渡 | 所得税がかかる | 贈与税がかかる |
個人から法人への低額譲渡 | みなし譲渡所得課税 | 法人税がかかる |
法人から個人への低額譲渡 | 法人税がかかる | 所得税がかかる |
法人から法人への低額譲渡 | 法人税がかかる | 法人税がかかる |
個人から法人へ不動産の低額譲渡を行った場合、売主には所得税が買主には法人税がかかります。
そこで、所得税、法人税(相続税)での不動産の時価の概念と不動産鑑定について考えてみたいと思います。
個人から法人への高額譲渡(参考)
そもそも個人から法人への高額譲渡とはどういったことを指すのでしょうか。
個人から法人への高額譲渡とは、役員と関連会社で不動産を売買する場合は、その関係から通常では考えられない高い価格で不動産を売買することです。
ただし、個人から法人へ高額譲渡と税務署にみなされた場合、
・売り手は時価で不動産を売却したものとして、所得税がかかります。
・譲渡価額と時価との差額については、買主から売主への贈与として、売主に所得税がかかります。
・買主は譲渡価額と時価との差額について売主に寄付したものとされます。
売手:譲渡価額-時価=所得 → 所得税
個人から法人への土地の高額譲渡の例
この土地の取得費は1,000万円、譲渡費用は0円です。
譲渡価額:8,000万円
取得費:1,000万円
譲渡費用:0円
・売主であるAさんは、時価5,000万円で土地を譲渡したものとして、譲渡益4,000万円に対して、所得税が課税されます。
5,000万円 - 1,000万円 = 4,000万円
・売主であるAさんは、譲渡価額と時価との差額3,000万円については、乙社からAさんへの贈与として、Aさんは、所得税等が課税されます。
8,000万円 - 5,000万円 = 3,000万円
・買主である乙社の土地の取得費は5,000万円となります。(3000万円はAさんへの贈与だからです。)
譲渡価額と時価との差額3000万円は、Aさんに対する寄付金として、寄付金の損金不算入の規定の対象となり、損金算入限度額を超える部分の金額は法人税法上損金の額に算入されません。
ただし、Aさんが乙社の従業員の場合は寄付金ではなく給与となります(Aさんが乙社役員と特殊関係にある使用人の場合には過大な使用人給与の損金不算入の対象となり、不相当に高額な部分は損金算入されません)。
その他、高額譲渡のまとめ(参考)
売買形式 | 売手 | 買手 |
---|---|---|
個人から個人への高額譲渡 | 所得税、贈与税がかかる | なし |
個人から法人への高額譲渡 | 所得税がかかる | 法人税法上の損金算入されない |
法人から個人への高額譲渡 | 法人税がかかる | なし |
法人から法人への高額譲渡 | 法人税がかかる | 法人税法上の損金算入されない |
低額譲渡課税要件
利害関係のない自由な取引の場合は問題にならないことが多いようです。
特殊な関係(親族、血縁)がある場合に時価が適正かどうか税務署が認定します。
法人については明確な規定はありませんが、課税要件としては同等のようです。
法人は低額譲渡が認定されると買主の受贈益として利益計上されます。
利害関係の有無→なし→原則認定課税なし
→あり→低額譲渡性の有無→なし→認定課税なし
→あり→認定課税あり
【法人税の税務上の時価の概念と鑑定評価との関係】
例外:なし
鑑定評価:適正価格を判定する場合、鑑定評価の時価となる。
低額譲渡:適正時価と取引価額との差額について売主には寄附金として、買主には受贈益として、法人税が課税される。
【所得税の税務上の時価の概念と鑑定評価との関係】
【所得税の税務上の時価の概念と鑑定評価との関係】
例外:なし
鑑定評価:適正時価を判定する場合、鑑定評価が時価となる。
:実務上、相続税評価額が利用されるが、その価額は簡便時価であり、適正時価とはいえない。
低額譲渡:個人間において、適切な時価でない低額な不動産取引(原則:相続税評価額>時価)は受贈者に贈与税が課税される
不動産の適正な時価とは
不動産の適正な時価とは裁判所の評価判例等によりますと
「不特定多数の当事者間の自由な取引において」「通常成立する客観的な交換価値」とされております。
「不特定多数の当事者間の自由な取引において」とは
「不特定多数の当事者間の自由な取引において」とは、その売買情報は一般公開され、売手と買手が競合し自由に取引される不動産市場で行われた取引を言います。
「通常成立する客観的な交換価値」とは
「通常成立する客観的な交換価値」とは、特殊な事情(買い進み、売り惜しみ)がない、だれにでも当てはまる客観的な交換価値を言います。
参考までに4つの公的指標について掲載させていただきます。
評価の目的 | 評価機関 | 評価時点 | 価格水準 | |
---|---|---|---|---|
地価公示価格 | 取引価格の指標等 | 国土交通省 | 1月1日(毎年) | 適正な時価 |
基準地価格 | 取引価格の指標等 | 都道府県知事 | 7月1日(毎年) | 公示価格と同一水準 |
相続税路線価 | 相続税及び贈与税の評価基準 | 国税局長 | 1月1日(毎年) | 公示価格の80% |
固定資産税路線価等 | 固定資産税、不動産取得税、登録免許税 | 市町村長 | 1月1日(3年ごとの基準年) | 公示価格の70% |
所得税、法人税等における評価は公示価格か不動産鑑定評価
相続税法と所得税・法人税等における土地評価の関係
所得税法・法人税法・相続税法において求められる土地の時価は、同一の概念です。
しかし、時価の具体的な算出方法として、相続財産の評価が財産評価基本通達を採用しているのに対して、所得税・法人税では評価基準がなく、個別の評価を行うということで相違点があります。
相違が生じる理由としては、一般の相続では偶発的に発生することから評価上の安全性に配慮し相続税評価をするのに対し、法人間の取引等では、自由な取引として当事者が取引の時期、時価を認識したうえで取引ができるから、通常の取引価格に相当するもので評価するからです。
所得税法・法人税においては時価の具体的な評価手法として、公示価格比準方式、不動産鑑定士による不動産鑑定評価が採用されます。
相続財産の評価と比べると不動産鑑定士の鑑定評価書は多く利用されております。
通常の住宅地であれば、路線価、固定資産評価と公示価格を比較して算出します。
評価通達に定めがないような特殊な土地については、鑑定評価を採用します。
案件ごとに個別に判断する必要があります。
公示価格比準方式とは
公示価格比準方式は、公示価格と当該公示地に付された路線価の比率から評価対象地の公示価格(時価)を推計する方法です。
裁判でも時価の算出方法として公示価格比準方式が採用されることがあります。
計算例
評価対象地の固定資産税評価額 90万円/㎡とすると、推定公示価格(時価)126万円/㎡=90万円 × 1.4
判例からみる「著しく低い価額とは」
所得税、法人税の低額譲渡の判決例を掲載します。
判例1.旧代表者から法人へ遺贈(遺言により贈与)された土地の評価において、固定資産税評価額に基づく公示価格比準方式が採用された事例(東京地裁平成2年2月27日判決(税務訴訟資料175号802頁)
被相続人(昭和58年死亡)は、所有する土地(宅地、面積417.26㎡)を、同人が代表をしていた有限会社に対して遺贈しました。
本件土地の評価について、元代表側(個人)は路線価方式により6,009万円と評価して申告しました。
税務署は昭和58年1月1日の公示価格比準方式を採用し、近隣地価公示とその固定資産税評価額、対象敷地の固定資産税評価額から推定公示価格を算出し、対象地の価格を1億2640万円としました。
結論
課税庁の公示価格比準方式1億2640万円を採用しました。
判断理由
判決では公示価格比準方式は一応の合理性があり、特段の事情がない限り通常の取引価格を上回ることがないものということができるとしました。
法人が贈与を受けるまたは購入する場合は、所得税、法人税の場合になり、路線価ではなく、公示価格が採用されますので、ご注意ください。
判例2.個人から関係法人へ譲渡があった土地の評価において不動産鑑定評価書が採用された事例(国税不服審査所平成16年3月8日裁決)(裁決事例集67巻350頁)
個人が平成11年5月の売買契約により、本件土地を関係法人に700万円で譲渡しました。
税務署は不動産鑑定評価書を取得して時価を2540万円と評価しました。
結論
不動産鑑定評価額2540万円を妥当なものとして税務署が低額譲渡としたのを妥当としました。
追記
個人から法人へ売買をする場合は、なんとなくではなく公示価格か周辺の事例をもとに評価したのか根拠を明確にして資料を作成して、申告することをおすすめします。
判例3.個人から同族会社へ譲渡があった土地の評価において、3日後に同族会社が売却した譲渡価格が採用された事例(東京地裁平成3年4月26日判決)(税務訴訟資料183号438頁)
個人は昭和61年3月31日、売買契約により、本件土地(568.34㎡)を同族会社に770万円で譲渡しました。
その3日後の4月3日同族会社から第三者に1800万円で譲渡されました。
本件土地の時価は、本件売買契約の直後の取引に照らして1800万円とみることが相当であることから低額譲渡に該当し、譲渡価格と時価との差額を譲渡所得にあたるとしました。
結論
判決では本件土地は譲渡があった日から3日後に第三者に1800万円でじょつおされていることからすれば、時価を1800万円と認めるのが相当としました。
追記
法人で売却すると損金と相殺できますが、役員から法人への譲渡は時価で譲渡することを税法は求めておりますのでご注意ください。
判例4.法人が役員等から著しく低い価格で譲り受けた土地の評価において鑑定評価が採用された事例(宇都宮地裁平成4年2月12日判決(税務訴訟資料188号270頁)
法人は役員等の所有の土地を、役員等の取得価格である987万円で購入しました。
税務署に低額譲渡であるとして、取得価格と時価との差額が受像駅であるとして課税処分を受けました。
税務署は鑑定評価書を取得して時価を1817万円とし、法人も対抗し鑑定評価書を取得し1200万円としました。
結論
判決では両鑑定評価書の優劣を検討し、法人の鑑定評価書は採用した取引事例に関する事情補正の根拠が明らかでないこと、取引事例の選定方法に合理性を認めることができないこと等の理由から、課税庁側の鑑定評価書が法人の鑑定評価書よりも劣るということはできないとして、税務署の鑑定評価額1817万円を採用しました。
追記
関係者であっても税法では取得価格ではなく、時価で売買することを規定しております。
時価が不明な場合は証明の手段として鑑定評価書が有効ですが、必要のない場合もありますので、まずはご相談ください。
相場や特別な事情があって標準的な土地相場よりも低くすることに合理性はありますが、理由もないのに鑑定評価額を低くすることはできませんので、ご注意ください。
失敗しない不動産鑑定士の選び方
不動産鑑定士事務所はたくさんありますが、「どこに依頼しても同じ」というわけではありません。
不動産鑑定評価の費用だけで、不動産鑑定事務所を選ぶと後悔することがあります。
依頼した後に後悔しないためにも、「失敗しない不動産鑑定士の選び方」を知っておきましょう。
1.不動産売買等の取引についても、経験があるかどうか
不動産売買等の取引の経験があるかどうか、または、流れを理解しているかどうかを確認ください。
お客様が関連会社売買や親族間売買でお悩みの中で、不動産鑑定評価をご依頼いただいたと思います。
不動産売買の取引の理解がなければ、お客様の悩みの解決が出来ない可能性があります。
例えば、親族間売買にあたって、売買契約書はどうするのか。
売買代金は住宅ローンか現金なのか、どうするのか。
測量や登記はどうするのか。
そこで、「不動産売買の流れはわかりますか」という質問してみてください。
2.得意な地域はどこか
不動産は地域性や相場があります。
地域の事情がわかっている鑑定士の方がよりよいと思います。
そこで、「得意な地域はどこか」「依頼する地域については評価経験はありますか」を質問してみてください。
3.事務所が得意とする問題解決、専門とするものはなにか
もちはもちやに焼かせろということわざがあります。
そこの事務所が得意な問題解決、専門とする評価は、なにか聞いてみましょう。
4.ホームページがあるかどうか
一般の方に事務所の存在を知ってもらうには、主にホームページを持っているか、広告をする必要があるのですが、ホームページも広告も行わず、公的な評価のみを行っている不動産鑑定士もおります。
ホームページや広告を行っていない事務所は、一般のお客様に接触しておらず、民間の問題を解決する力が、弱い可能性があります。
その事務所が「民間の不動産問題解決に強いかどうか」と質問してみてください。
5.少なくとも民間の不動産評価の実務経験が100件以上の評価経験があるかどうか
経験を積むと不動産の問題解決能力は当然あがります
6.実務経験が5年以上あるかどうか
経験を積むと不動産の問題解決能力は当然あがります
7.不動産鑑定費用が明確であるかどうか
費用が明確な方が納得して相談や依頼ができます
私たちの7つの特徴
1.税務署の考え(財産評価基本通達)と鑑定評価の違い、裁判判例を意識して鑑定評価をおこなっております
税法では土地については時価で評価するとして定めておりません。
相続財産の評価については、あらかじめ課税庁が財産評価基本通達を定め、課税実務においては、この通達により評価が行われるのが一般的です。
しかし、この通達の中に、通達により評価することが「著しく不適当と認められる」財産の場合には通達によらない評価をする規定【総則・六】があることから、課税庁は、あるときは通達による評価、あるときは通達によらない評価とすることができるとされております。
この規定が存在することにより、どのような場合に通達によらない評価が行われるか不透明となり、納税者の法的予測可能性・法的安定性が著しく阻害されております。
日本では申告納税制度を採用しており、まず納税者の法的判断の結果に基づいて税額は確定されます。
その法的判断基準のひとつが財産評価基本通達です。
納税者がこの通達に従って評価した場合であっても、総則六の規定により課税庁により一方的に否定される場合があります。
申告制度のもとで、課税庁が自ら定めた評価方式を否定し、より高額な他の評価方式を採用することは通達の信頼性を失わせます。
一方で、路線価方式を主とした通達による評価方式は、極めて個別性の強い不動産を画一的な計算式により評価しようというものであり、この評価方式によって求められた評価額は、適正時価とかい離することがあります。
このような場合、納税者は、通達による評価が不合理であることを課税庁および裁判所に対して主張、立証していかなければなりません。
通達によらない評価は二つの理由により行われます
1.【課税庁主体】課税庁が通達による評価が著しく不当で低額すぎると判断した場合には、納税者の租税回避を否認するために、通達によらない評価を主張します。
2.【納税者主体】通達に従って評価した金額が、「時価」を超えていた場合(いわゆる逆転評価)となる場合、納税者は本来払わなくて良い税負担を負うことになるために通達によらない評価を主張します。
実務では納税者の租税回避のために課税庁が通達によらない評価総則6項を多く適用します。
納税者が通達によらない評価(主に鑑定評価)を認識していないために、利用される頻度は少なくなります。
当事務所では、納税者が主張した通達によらない評価(主に不動産鑑定評価)が認められた点、認められなかった点について、判例を収集することにより、納税者はどのような手法により時価を立証し、通達のどの部分の不合理性を主張・立証すべきかを研究しております。
この背景には、鑑定評価書といえども根拠がなければ適正な時価とはみなされないからです。
また、納税者の選択肢を増やすためにも、判例等の情報発信も行っております。
– | 税務署の考え | 鑑定評価 |
---|---|---|
評価担当者 | 税理士 | 鑑定士 |
評価基準 | 財産評価基本通達 | 不動産鑑定評価基準 |
数値基準 | ほぼ全国一律 | ない(地域、個別に判断) |
結論 | ほぼ一律 | ほぼ一致しない |
2.低額譲渡を避ける不動産の時価の評価はお任せください
長野県および諏訪地域では、過去10年間大幅に下落しており、人口の減少にともない、今後も下落していきます。
国勢調査結果(人口)
2015年人口 | 2005年人口 | 人口減数(人) | 人口減数(%) | |
長野県 | 2,099,759 | 2,196,114 | -96,355 | -4.4% |
諏訪市 | 50,163 | 53,240 | ‐3,077 | -5.8% |
岡谷市 | 50,146 | 54,699 | -4,553 | -8.3% |
茅野市 | 55,951 | 57,099 | ‐1,148 | -2.0% |
下諏訪町 | 20,236 | 22,863 | -2,627 | -11.5% |
富士見町 | 14,494 | 15,528 | -1,034 | -6.7% |
原村 | 7,570 | 7,456 | +114 | +1.5% |
公的土地価格の推移(地価公示、基準地地価)
2015年地価 | 2005年地価 | 下落単価 | 下落率(%) | |
長野県 | 3万9108円/平米 | 5万2783円/平米 | -1万3675円/平米 | -25.9% |
諏訪市 | 4万3950円/平米 | 7万1788円/平米 | -2万7,838円/平米 | -38.8% |
岡谷市 | 4万3909円/平米 | 6万8436円/平米 | -2万4527円/平米 | -35.8% |
茅野市 | 3万8712円/平米 | 4万7700円/平米 | ‐8,988円/平米 | -18.8% |
下諏訪町 | 4万8742円/平米 | 7万2166円/平米 | -23,424円/平米 | -32.4% |
富士見町 | 2万2731円/平米 | 2万8333円/平米 | -5,602円/平米 | -19.8% |
原村 | 1万5400円/平米 | 2万1200円/平米 | ‐5,800円/平米 | -27.3% |
今後も人口の減少にともない、長期的に地価は大幅に下落していきます。
利益が出ている法人様は関連会社へ時価で不動産を売却して、含み損を出し、現金を確保する方法がございます。
時価がいくらであるかを、証明するために不動産鑑定評価書をご活用ください(低額譲渡をさける時価の判定)。
当社では不動産鑑定評価費用をかけてもお客様にメリットを得てもらうために、税務署の評価(財産評価基本通達)では、不動産はどのように評価されるのか、不動産鑑定評価との違いはあるのかについても研究させていただいております。
不動産鑑定評価書の作成にあたって不動産鑑定評価費用は、一般的に考えると決して安い金額とは言えません。
不動産の大きさ等により個別に異なりますが法人の関連会社取引においては不動産鑑定評価書を証拠に不動産を償却したり、評価損を出して利益と相殺すれば数百万円の節税となります。
公的価格の地価公示の60%(40%減)の評価になる土地もございます。
つまり、最終的にはお金が外に出ていくのを防ぎ、不動産鑑定評価費用以上の現金が手元に残ります。
3.親族間、関連会社取引の悩みをきいて、個別になにをどう評価して、どう解決するのか個別に一緒に考えていきます
税理士の先生に「鑑定評価をとったらどうか」と言われ、ホームページをみて、当事務所に親族間売買の参考のための鑑定評価の相談に来られるお客様が多くいらっしゃいます。
税理士の先生は、税の専門家で、不動産評価の専門家ではありませんから、不動産評価については、不動産鑑定士ほどは詳しくはありません。また、不動産の専門家でもありませんから、その後の権利関係をどうすれば良いのか、トラブルが生じないのかまでは、不動産業者ほどは詳しくはありません。
当事務所は不動産評価と不動産取引の専門家である、不動産鑑定士、宅地建物取引士です。
親族間、関連会社の悩みによって、解決策のためには、なにをどのように評価し、契約書はなにを用意するのかが変わってきます。
また、解決の一助になればと思い、お悩み、解決事例を積極的にホームページにアップしていきます。
たとえば、建物を法人へ譲渡にして、土地を個人所有のままにしたいのですが、という相談を受けたとします。
建物評価をどうするのか、借地関係はどうするのか、借地権の対価はあるのかないのか、地代はどうするのか、お話を聞きながら、問題はないのか、あれば、どのように解決できるのか、個別に一緒に考えていければと思います。
4.親族間、関連会社の不動産売買は借地と底地の時価の問題です
親族間、関連会社で、土地だけ売買する、建物だけ売買する等が多く見受けられます。
つまり、親族間、関連会社で不動産の売買は、借地権付建物や貸宅地(底地)をいくらで売買するのかという問題でもあります。
そこで、当事務所では低額譲渡の判定にあたっては特に借地と底地についても力を入れております。
借地、底地、建物の親族間、関連会社の時価でお困りになりましたら、ご相談ください。
5.税理士の先生と連携し広大地判定に取り組んでおります
広大地の要件をクリアすると広大地補正率に基づき、面積に応じて広大地評価の適用を受けることが可能となります。
広い敷地であるほど、補正率は高くなり、評価減が見込まれ、個人の親族間売買、相続、贈与等に大幅にメリットがあります。
地積 | 広大地補正率 |
---|---|
1000平米 | 0.55 |
2000平米 | 0.50 |
3000平米 | 0.45 |
4000平米 | 0.40 |
5000平米 | 0.35 |
※広大地補正率は、0.35を下限とします。
国税庁の統計によると、2012年には更生の手続きで441億円の相続税が還付されています。
「ほとんどが土地評価の見直しに伴うものとみられます」(田川税理士、日経新聞コラムより)
当社と提携している税理士の先生とお話しすると、広大地評価を適用せずに、相続の申告を行っている例が多くみられ、評価見直しの更生請求を行っているとの話がありました。
広大地の概念には不動産鑑定評価がベースにあり、税理士の先生には理解しがたい部分があり、あまり普及しておりません。
つまり不動産鑑定士が積極的に取り組む業務です。
当事務所では税理士の先生と連携し、広大地判定に取り組んでおります。
また広大地で連携していただける税理士の先生も幅広く募集しております。
6.諏訪地域の不動産問題解決に一番力を入れております
当事務所は諏訪盆地の茅野市に事務所が所在しており、不動産鑑定に加えて、不動産売買も取り扱っております。
長野県の中でも一番精通している諏訪地域(岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町、原村)の不動産問題(低額譲渡、地代、借地、底地、遺産分割、相続、離婚問題)に特に注力して解決していきます。
不動産売却にも自信がございます(不動産売買仲介の対応地域は、地元の諏訪地域(茅野市、原村、富士見町、諏訪市、岡谷市、下諏訪町)限定とさせていただきます)。
司法書士や建築業者、税理士、解体業者等の人脈でトータルにサポートいたします。
当社のパートナーと一団となってサポートさせていただきますので、お客様は当社に来ていただければ、登記、建築、解体、税務の問題等トータル、一括で解決でき、お客様の時間と労力の軽減となります。
7.330件以上の評価実績、12年の不動産の実務経験
これまで330件以上の不動産鑑定・評価を行ってきました。
不動産の実務経験も12年ございますので、ご要望にスムーズに対応できます
不動産売買、時価算定、鑑定評価お任せパック料金のご案内
下記のサービスをご依頼頂ければ、不動産の適正な時価を鑑定評価を判断できます。
つまり、関連会社の不動産売買であっても、適正な時価で売買を行えば、税務署の立入調査が入った手段の対抗手段となります。
役員から関連会社への不動産売買時の鑑定評価 | |
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料金(税抜総額) | 25万円~35万円 |
含まれるサービス内容 |
・無料相談→お電話で無料相談(効果がない場合もあります。鑑定評価書を取って効果的かどうか無料相談でお伝えします。) ・適正な時価を把握するための不動産鑑定評価書作成 ・消費税算定のために土地と建物の内訳を提示します ・アフターフォロー→不動産売買の際に銀行の融資には契約書が必要なので、契約書も作成します(別途料金必要) |
※適正な時価で不動産の売買を行う理由 |
個人から法人へ不動産を時価よりも著しく低い価額で譲渡すると税務署の指摘を受けて売主には所得税、買主には法人税が課される可能性があります。
しかし、「不動産鑑定評価書」というものを扱える不動産鑑定士や事務所に依頼して、評価額を時価として不動産売買契約をすることができます。 つまり、専門家に依頼すると、不動産鑑定評価書の費用はかかりますが、不動産鑑定評価書や不動産売買契約書の書類作成も全て任せることができますし、段取りや司法書士の手配等の手間もかかりません。 ご自身で行うこともできますが、どうしても甘くなり、通常では考えられない安い価格で不動産を売買してしまったりして、税務署の指摘を受けて税金を取られる可能性もありますし、手続きが分からず多くの時間を使ってしまったりします。 税金面や時間、多くの面での負担を少しでも減らしたいのであれば、まずは不動産鑑定士にご相談いただくことをお勧めいたします。 |
※お問い合わせいただきました順に対応させて頂きますので、お客様のご依頼が重なった時は、お待ちいただく場合がございます。お困りの際は、まずはお気軽にお問い合わせいただければ幸いです
※特に決算前の期間11月から3月は、ご依頼が集中して納期がやや伸びてしまうことがございます。決算期前の期間になる前に、お早目にご相談いただくことをお勧めします。
不動産売買契約書作成サービス費用
さらに、親族関連や関連会社で不動産取引を行う際は、金融機関の融資がない場合、不動産売買契約書、金銭貸借消費契約書、返済予定表を最低限作成することが必要です。
当社では不動産売買契約書の作成についてふたつのサービスをご用意いたしました。
不動産売買契約書作成サービス、不動産売買契約書作成及び重要事項説明書サービス。
不動産売買契約書作成サービス、不動産売買契約書作成及び重要事項説明書サービス2つのサービスの基本報酬(費用)、サービス内容は以下のとおりです。
不動産契約書のみの作成 | 重要事項説明書も併せて作成・説明 | 不動産契約書のひな形のみ | |
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総額 | 10万円 | 15万円 | 無料 |
サービスに含まれるもの |
・不動産売買契約書作成 ・金銭貸借契約書作成 ・不動産登記のための司法書士手配 ・境界確定のための測量士手配 ※宅建主任者および会社の印は押しません。 |
・不動産売買契約書作成 ・金銭貸借契約書作成 ・重要事項説明書作成、説明 ・不動産登記で司法書士手配 ・境界確定のため測量士手配 |
・不動産売買契約書のひな形のみお渡し |
こんなお客様に向いています |
・不動産売買契約の進め方で不安な方 ・不動産売買契約書作成希望の方 ・金銭貸借契約書作成の方 ・不動産登記で司法書士手配希望の方 ・境界確定のため測量士手配希望の方 |
・不動産売買契約の進め方で不安な方 ・不動産売買契約書作成希望の方 ・金銭貸借契約書作成の方 ・不動産登記で司法書士手配希望の方 ・境界確定のため測量士手配希望の方 ・重要事項説明書作成希望の方 |
・とにかくお金をかけず、しあげたい方 |
– | 土地使用借権 | 普通借地権(賃借権) | 定期借地権(賃借権) |
---|---|---|---|
– | 債権、片務、要物契約 | 債権、双務・不要式の諾成契約 | 債権、双務・不要式の諾成契約 |
賃料・償金 |
無償(民593) 通常の必要費用を負担(民595) |
有償(民601) | 有償(民601) |
使用収益権 | 使用・収益(民594) | 使用・収益(民616・準用594) | 使用・収益(民616・準用594) |
期間 |
1.契約に定めた期間(民597) 2.契約に定めた目的に従う使用・収益の終わりたるとき(民597) 3.使用収益をなつに足るべき期間を経過したとき(民597) 4.期間・目的を定めざるとき、いつでも返還請求可能(民597) |
新規 1.契約の定めのあるとき30年以上の約定期間 2.契約期間の定めなのないとき30年以上 |
1.定期借地権50年以上 2.事業用借地権10年以上50年未満 3.建物譲渡特約付借地権30年以上 |
更新 |
1.法定更新制度はない 2.合意更新についても法定の最短期間はない |
1.法定更新 期間終了時に更新の請求、または使用継続 更新期間20年、2回目からは10年 既存借地権、堅固建物30年、その他20年 2.合意更新 定めた期間 3.建物の滅失 再建築可 |
1.法定更新を契約により排除 2.合意により期間(上記期間内)延長は可 |
譲渡 | 譲渡性なし | 1.地主の承諾または代わる裁判所の許可で可 | 1.地主の承諾または代わる裁判所の許可で可 |
借主の死亡 | 借主の死亡により効力を失う(民599) | 相続人が地位を承継 | 相続人が地位を承継 |
使用借権の設定にあたって権利金の支払が無かった場合の税務上の取り扱い
– | – | 地主についての課税関係 | 借地人についての課税関係 |
---|---|---|---|
地主が個人の場合 | 借地人が個人の場合(例:親→子) | 所得税のみなし譲渡課税はない |
贈与税の課税はない。 将来の贈与、相続については更地として評価される。 |
地主が個人である場合 | 借地人が法人である場合(例:社長→同族会社) | 所得税のみなし譲渡課税はない | 使用貸借とは認められず、権利金相当額を法人の受贈益として益金に加算して法人税を計算する。 |
地主が法人の場合 | 借地人が個人の場合(例:同族会社→社長) | 権利金の収入があったものとして権利金および地代相当額を法人益金があったものとして、法人税を計算する。 | 社長等に対して認定賞与および給料として所得税が課税されます。 |
地主が法人である場合 | 借地人が法人である場合(例:親会社→子会社) | 権利金の収入があったものとして権利金および地代相当額を法人益金があったものとして、法人税を計算する。 | 権利金の収入があったものとして権利金および地代相当額を法人益金があったものとして、法人税を計算する。 |
借地権の設定にあたって権利金の支払が無かった場合の税務上の取り扱い(通常の地代の支払いのある場合)
– | – | 地主についての課税関係 | 借地人についての課税関係 |
---|---|---|---|
地主が個人の場合 | 借地人が個人の場合(例:親→子) | 所得税のみなし譲渡課税はない | 借地権の贈与があったとして、相続税の評価額によって贈与税が課せられます。 |
地主が個人である場合 | 借地人が法人である場合(例:社長→同族会社) | 所得税のみなし譲渡課税はない | 相当の地代との関連により、借地権相当額を法人の受贈益として益金に加算して法人税を計算する。 |
地主が法人の場合 | 借地人が個人の場合(例:同族会社→社長) | 権利金の収入があったものとして権利金および地代相当額を法人益金があったものとして、法人税を計算する。 | 社長等に対して借地権相当額を認定賞与および給料として所得税が課税されます。 |
地主が法人である場合 | 借地人が法人である場合(例:親会社→子会社) | 権利金の収入があったものとして権利金および地代相当額を法人益金があったものとして、法人税を計算する。 | 相当の地代との関連により、借地権相当額を法人の受贈益として益金に加算して法人税を計算する。 |
個人から同族会社へ不動産の売買は時価の2分の1以上であれば低額譲渡にあたらないと思うのですが
個人からの買主である法人が同族会社であり、その行為又は計算を容認することによって譲受人であるその会社の株主やその特殊関係者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるときは、税務署長は、同族会社の行為又は計算の否認規定(所法157)によってその取引を否認し、時価による譲渡があったものととして譲渡人の譲渡所得を計算することができることになっています。(所基通59-3)
不動産鑑定評価書があれば税務調査で100%是認されますか
残念ながら100%是認はされません。
しかし、不動産鑑定評価書を用意することで以下のメリットがあります。
低額譲渡と認定されにくくなる、税務調査に対抗できる
親族間、関連会社売買は、税務調査で狙われやすくなります。
不動産鑑定評価書があれば税務署が鑑定評価書が間違っていると証明できない限り、評価書の評価額の売買を否認できません。
したがって、税務調査の対抗手段としても不動産鑑定評価書をおすすめします。
また、例え、否認されても、全て否認されるケースは少ないようです。
資格者のご紹介
朝倉 宏典
- 保有資格:不動産鑑定士、宅地建物取引主任者
- 名前:朝倉宏典
- 所属:一般社団法人長野県不動産鑑定士協会
- 登録番号:第8446号
- 経歴:平成13年 不動産鑑定士二次試験合格
平成14年4月 日本中央地所株式会社入社
平成14年4月~平成16年7月 東京、神奈川の新築分譲マンションの企画担当(用地仕入・販売企画)
平成16年8月 三井不動産販売株式会社入社
平成16年8月~平成21年3月 全国の不動産鑑定評価を担当
平成21年4月~平成24年4月 三井のリハウス田園調布店にて、世田谷、目黒、大田区の城南地区の土地・戸建中心の売買仲介担当
平成24年6月 八ヶ岳ライフ株式会社設立
平成25年 諏訪、茅野、富士見、原村精通者意見担当
茅野市、富士見町、諏訪市、岡谷市、原村、伊那市、辰野町の民間評価業務担当
平成26年 諏訪、茅野、富士見、原村精通者意見担当
茅野、富士見町固定資産評価替担当
茅野市、富士見町、諏訪市、岡谷市、原村、伊那市、辰野町の民間評価業務担当