荒れた畑と山林が、いま査定額を動かしている——茅野市・原村の不動産査定の中身
- 5月20日
- 読了時間: 7分

「査定」と聞くと、多くの方が「いくらで売れるかを数字で出す作業」だと思われています。
確かにそれも一面です。八ヶ岳ライフでも、地番とお名前をいただければ1分で査定額の目安をお出しします。鑑定士が在籍していますので、裁判の証拠としても使える鑑定評価書まで対応できます。
ただ、私たちが日々向き合っている査定は、もう少し奥行きがあります。
特に、ご相談の多くが県外にお住まいの相続人の方で、「親が遺した土地が茅野市・原村・富士見町にある」「自分は現地に行けない」「どうしたものか分からない」というお悩みです。年間300件のご相談のかなりの部分がこの構図です。
そういう方の土地を査定するとき、数字を出す前にひとつ問いを置きます。
「この土地は、誰かの暮らしとしてつながっていく土地か」
20年以上、八ヶ岳西麓でこの問いを置き続けてきました。今日はその中身を書きます。
査定額の手前で見ている三層
土地の査定額は、ふつう周辺の取引事例・路線価・公示地価・原価法・収益還元法といった複数の方法を組み合わせて出します。鑑定士の標準的な手続きで、私たちもそうします。
ただ、八ヶ岳西麓の土地は、それだけだと値が出ません。
なぜか。この地域の土地の価値は、宅地そのものよりも「土地・地縁・周辺の連動」の三層で決まる構造を持っているからです。
第一層:土地そのもの
標高(900〜1,500m帯)、日射、風通し、八ヶ岳や南アルプスへの抜け、水。これは地形と気候が決めるもので、人間が後から再現できません。
第二層:地縁——区・財産区・水利
その土地がどの区(集落)に属するか。区が機能しているか。水利組合との関係はどうか。登記簿には出てきませんが、暮らしの実態を最も左右します。
第三層:周辺の畑・田・山林の機能度
隣や近くに、機能している畑がありますか。手入れされている山林がありますか。それとも、藪に戻っていますか。
具体例で言います。
たとえば、原村の標高1,100mに、150坪の宅地と、隣接する100坪の畑、その奥に200坪の山林がついた相続物件があったとします。机上の路線価だけ見れば、宅地150坪の値段でしか評価されません。
しかし現地に行くと違うものが見えます。畑は5年放置されて藪の高さが腰まである。隣の畑の方が「シカが入って困っている」と言われる。山林はアカマツが多く、松枯れが進んでいる。
この土地は、放っておけば周辺に迷惑をかけ続ける土地です。逆に整えれば、隣の畑の方の被害が減り、集落全体の価値が戻る土地でもあります。
査定額は、この「どちらの方向に動く土地か」で大きく変わります。
現地で実際に見ているもの
現地に伺うと、私たちはまず登記簿の図面を持って境界の見当をつけます。次に、隣の山林の樹種を確認し、水路の流れを目で追います。
アカマツ林なら松枯れの進行度
カラマツ林なら下草の状態
雑木林なら下刈りの跡
畑なら直近何年使われていないか(藪の高さでだいたい分かります)
田なら水利の生きている田か、休耕でもう水が来ない田か
区の集会所がどこにあるか
道路沿いの草刈りが、誰の手で行き届いているか
これを1〜2時間かけて歩いて確認します。
県外にお住まいの相続人の方は、ご自身の土地が今どうなっているか、現地を見るのも大変だと思います。私たちは現地確認まで代行します。荒れた畑が周囲にどう影響しているか、その土地を整えたら誰に渡せるか、そこまで含めて報告します。
「行ったことのない実家の土地」が、報告書を読むと「こういう土地だったのか」と分かるところまで、お伝えします。
荒れた畑と山林が、地域の防衛機能を担っている
ここが、一般的な査定との一番の違いです。
茅野市・原村・富士見町の集落のまわりには、かつて誰かが耕していた畑や、誰かが手入れしていた山林が広がっています。所有者は地元の方の場合もあれば、相続で県外に出た方の場合もあります。
この「使われていない土地」が、いま動物被害を生んでいます。
シカ、イノシシ、サル、ハクビシン。八ヶ岳西麓では年々増えています。なぜ集落まで降りてくるのか。理由のひとつは、集落と山の間にあった「人の手の入った畑と山林」が機能していないからです。
かつてはそこが緩衝帯として働いていました。畑があれば人の気配がある。山林が手入れされていれば藪にならず、動物の通り道にならない。
放置された畑と山林は、動物にとっての侵入路になります。これが集落の中で農業を続けている方の作物被害を生み、ひいては「もう畑をやめよう」という連鎖を起こします。
私自身、子どもの頃から祖母の代の古民家がある茅野市泉野中道に通って育ちました。「使われている畑」と「藪に戻った畑」の違いを、毎年見てきました。藪に戻った畑には、ある瞬間からシカの足跡が増えます。これは机の上で勉強した話ではなく、私が目で見てきた光景です。
逆に言えば、荒れた畑や山林が「使われる側」に戻れば、この連鎖は止まります。
八ヶ岳ライフの自社買取が果たしている役割
ここで、私たちの査定がふつうの査定と違う理由が見えてきます。
仲介だけをやる不動産会社は、「売れる土地」を売ります。境界が確定していて、農地法の手続きが要らず、買い手がつきやすい土地。これは当たり前のことで、責められることではありません。
でも、それだけだと「売れない土地」がそのまま放置される。荒れた畑、境界不明の山林、農地付き空き家、相続で誰も動けない土地。これらが地域の衰退と動物被害を生んでいるのに、誰も引き受けない。
八ヶ岳ライフは、自社買取でこれを引き受けます。
仲介で買い手を探すのではなく、私たちが買い取って、再生して、次の使い手に渡します。境界の確定、農地転用、水利調整、伐採届——これらの行政手続きはすべて自社で内製化しているので、外部に丸投げせず、引き受けた土地を動かせます。
つまり、私たちの査定額には「再生のコストと、再生後の使い手の見えやすさ」が織り込まれています。
「いくらで仲介できるか」ではなく、「うちが買い取って、どこまで再生して、誰に渡せるか」を見て値を出している。だから、他社で「値段がつかない」と言われた土地でも、八ヶ岳ライフでは値が出ることがあります。
そして近年、その「次の使い手」が、確実に増えています。20代から40代の方が「区に入って構いません」「畑をやりたい」と言ってこられる。茅野市豊平の田んぼがこの1〜2年で10件動きました。20年見てきて、これは異常な数字です。「機能している畑」「機能している山林」「機能している区」を持つ土地が、いま強く求められています。
つまり、ご相続された土地を整える先に、引き継いでくれる人が見えてきている。これは5年前と全く違う局面です。
査定を受ける前に、一度考えてみてください
もし、いま茅野市・原村・富士見町に土地や山林や空き家をお持ちで、「どうしたものか」と思っておられるなら、査定の前に一度、こう自問してみてください。
自分の代では使えなかったけれど、誰かに引き継いだら使える土地ではないか
周辺の畑や山林が荒れているけれど、そこが整えば集落全体の価値が変わるのではないか
動物被害や地域の衰退を、自分の土地が止める一端になれるのではないか
そのうえで八ヶ岳ライフに査定をご依頼いただければ、私たちはこの三つの問いを含めて土地を見ます。
1分査定は入口です。地番とお名前から始めて、必要があれば現地を歩き、隣の畑や区の状況も確認します。数字だけ知りたい方には数字をお出しします。その先まで一緒に考えたい方には、その土地が次の使い手にどう渡せるかまで含めて、ご提案します。
それが、八ヶ岳ライフの査定の中身です。
1分査定はこちらから
地番(なければ住所)とお名前、メールアドレスだけでお申し込みいただけます。5営業日以内にメールでご返信します。
https://www.naganokantei.net/contact
「うちの土地、どうしたものか」というご相談を、年間300件以上お受けしています。ご相談だけでも歓迎です。県外にお住まいの方も、お気軽にどうぞ。





コメント